発泡スチロールについて

高機能で環境に優しい素材
発泡スチロールは1950年にドイツで開発され、日本では1959年より国産化されました。当初は、コルクの代替品として冷凍・冷蔵用として使われていましたが、発泡スチロールの持つ優れた特性を活かして、生鮮食品の輸送箱や家電やOA機器の緩衝材、住宅建材など私たちの生活の身近なところで使われるようになりました。
発泡スチロールは、白くて軽いのが特徴で、石油からつくられたポリスチレン(PS)を小さな粒状にした原料ビーズを約50倍に発泡させてつくられるため、製品体積の約98%が空気で、原料はわずか2%の省資源な素材です。
さらに、発泡スチロールの持つ特性が、CO2削減やリサイクルなどの環境問題に対しても『低炭素社会』『循環型社会』を両立させる「持続的発展が可能な社会』の実現へも貢献しています。
  • 98%が空気の省資源素材
    発泡スチロールは、原料のポリスチレンビーズを蒸気で約50倍に膨らませて使います。1㎡当たり5トンの加重に耐えられる結構丈夫な発泡スチロールも、実は98%は空気で材料はわずか2%。空気を固めた省資源素材です。しかも、発泡スチロールの生産に必要な石油は、日本の石油消費量のわずか0.1%です。
  • 発泡剤にフロンガスは使用していません
    50倍に膨らませるため、原料ビーズには発泡剤が含まれています。その発泡剤はブタンやペンタンなどの炭化水素製品で、オゾン層に影響を与えるフロンガスは、ビーズ法発泡スチロールの生産では過去に一度も使われたことがありません。
  • 森林を傷めません
    発泡スチロールの元は石油です。発泡スチロールがなければもっとたくさんの木や紙が必要となり、森林資源に影響を与えることになります。
  • 発泡スチロールは有害物質を含まない
    発泡スチロールを燃やしたとき発生する黒煙を見て、有毒ガスが発生しているのではないかと心配される方は少なくありません。発泡スチロールは石油製品共通の性質として、燃えるときに木や紙よりたくさんの空気を必要とします。このため簡易な焼却炉などで燃やすと空気不足のため不完全燃焼して多量のススを発生します。専用の焼却炉で十分な空気を供給すれば灯油とほぼ同じカロリーを出し、クリーンな燃料ともなるのです。発泡スチロールの成分は炭素と水素だけで、硫黄、塩素、その他有毒ガスを発生させるような物質は含まれていません。